17.6.14 ART&SCIENCE GALLARY LAB AXIOM

 

ブラックボックス展の存在を知ったのはつい3日ほど前だった。

日頃からTwitterを利用しているにも関わらずこの展示に出会ったのは会期終了間際、アルテマにアップデートされた時であったのはなにかの運命だったようにも思える。

 

この展示がいかに特殊でありなぜここまでの行列を生み出したのかは、サイトを見ることで確認できるだろう。

 Hitoyo Nakano BLACK BOX|なかのひとよ BLACK BOX | ART & SCIENCE gallery lab AXIOM|

 

 

展示が再開された6月13日にやっと謎を解明することができると期待して1時間半列に並び、選ばれなかった。

バウンサーがあまりにもあっさり自分を阻んだことで驚くくらい何も感じなかったのを覚えている。

しかし自宅に帰り翌日どうするかを考え始めると、苛立ちと期待たが入り混じった不思議な感覚に感情をひたすら引っ掻き回された。

もう並ぶだけの無駄な時間を過ごすのはごめんだという怒りよりも、絶対に内容を確認してやろうという気持ちが勝ち翌14日も列に並ぶことに決めた。

 

14日。時間のせいもあってか前日よりも列ははるかに短く、揚々と列に並ぶ。

(これから並ぶ人の参考になるといいが、バウンサーの審査までファミリーマートの前からおよそ1時間程度)

前日とほぼ同じ格好だったことにやや不安を感じていたが、今回は無事「選ばれしもの」になることができた。

 

展示自体、ほんとうに最悪なものだった。

最低最悪なのに影響される自分が悔しくて、そんな最低な展示の一部になってしまった自分を正当化したいがためにこの記事を書くことにした。

 

一矢報いるという気持ちで、以下展示に関するすべてのネタバレをする。

すでに展示を体験した人は笑いながら、これから行く人は怯えながら、そして行けない人は罪悪感を感じながら読んで欲しい。

 

 

 

 

 

 

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バウンサーによってギャラリーに通された後、自分たちは小さな紙切れを渡されこの展示に関することを口外しないという約束をする。

1000円札があっけなくスタッフに連れていかれてしまったことに少しだけ違和感を感じた。

 

 

階段を上がり黒いカーテンをかき分け展示室に入ると、衝撃的な光景がひろがっていた。

展示会タイトルと真逆とも言えるほどの光が溢れる空間。

 

展示室一面に貼られた鏡たちが光を反射し眩い空間を生み出していた。そこでたくさんの人々があるはずのない自分たちの虚像にぶつかり合い、ひたすらに「ごめんなさい」を繰り返していた。

全くもって馬鹿げた話だと思った。

多くの時間を消費して、自分の財産を消費してまで、自分の虚像と見つめあって狂わされて、出口を探して、存在するかしないかわからない他人と自分に謝るだけの、それだけの作品だった。

 

自分には誤り続ける人たちがばかばかしくて愉快で、その様子をひたすらに見ていた。

いたって冷静なつもりだった。

 

 

しかし外に出た時、世界の正常さに目眩がした。

これがこの展示の意味なんだと気がつかされて、なんともくだらない展示に飲み込まれた自分がいる敗北感にかられた。

 

 

帰り道に一枚の紙を受け取る。

それを読んで、ある一文を見てため息が出た。

展示に行った人はこの記事はあの一文によって書かされているとわかるだろう。

これがアルテマレベルの全容だ。

 

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展示に行った人たちは、なかのひとよに対して負けたとか踊らされたとか悔しい気持ちを抱かなかっただろうか?

自分はそれを認めたくないからなかのひとよに加担して展示の一部として役割を果たそうと思う。

もし悔しくても何もしてない人がいるのならなにか行動を起こすことを勧めたい。

自ら発信するのももちろん、この記事をはじめとする多くの感想たちを拡散することで自分たちはなかのひとよに屈しない作品になるのではないだろうか。

 

なおこの記事は6月18日に追加を行うつもりだ。